- 第2章 GPUの仕組み
章トップ(目次)
2-1 GPUとは何か
2-2 GPUコアの構造
2-3 並列処理の考え方
2-4 GPUの実行モデル(SIMT)
2-5 GPUのメモリ階層
2-6 GPUが得意・不得意な処理
▶ 第3章 FPGAの仕組み
GPUとは何か ― 並列計算に特化したプロセッサ
GPU(Graphics Processing Unit)は、
大量の計算を同時に処理することに特化したプロセッサです。
もともとは
3Dグラフィックスの描画を高速化する目的で開発されましたが、
現在では画像処理・物理計算・AIなど、
幅広い分野で使われています。
CPUとの根本的な違い
CPUとGPUの最大の違いは、
計算の考え方にあります。
| 項目 | CPU | GPU |
|---|---|---|
| 得意分野 | 制御・分岐・汎用処理 | 数値計算・並列処理 |
| コア数 | 少数(高性能) | 多数(単純) |
| 処理モデル | 逐次処理 | 同時処理 |
CPUは「賢い少人数」、
GPUは「単純作業を一斉に行う大人数」
と考えると理解しやすいでしょう。
なぜGPUは速いのか
GPUが高速なのは、
- 同じ命令を
- 大量のデータに対して
- 同時に実行する
という設計になっているからです。
この考え方を
データ並列処理と呼びます。
グラフィックス処理との関係
3Dグラフィックスでは、
- 頂点の変換
- 光の計算
- 色の合成
といった計算を、
画素ごとに大量に行います。
これらは
「同じ計算を大量に繰り返す」ため、
GPUに非常に向いています。
GPGPUという考え方
GPUを
グラフィックス以外の用途に使うことを
GPGPU
(General Purpose GPU)と呼びます。
これにより、
- 科学技術計算
- シミュレーション
- 機械学習・AI
などが
現実的な速度で実行できるようになりました。
CPUとGPUは競合ではない
重要なのは、
CPUとGPUは
どちらが上かではなく、
役割が違うという点です。
CPUが全体を制御し、
GPUが大量計算を担当することで、
システム全体が高速になります。
第1節のまとめ
- GPUは並列計算に特化したプロセッサ
- 同じ処理を大量データに同時実行できる
- CPUとは役割が根本的に異なる
- 現代計算の要となる存在