- 第2章 GPUと専用計算機の仕組み
章トップ(目次)
2-1 GPUとは何か
2-2 並列計算モデル(SIMD / SIMT)
2-3 GPUのメモリ階層と帯域
2-4 スレッド管理とスケジューリング
2-5 GPUが得意な処理・不得意な処理
2-6 GRAPE計算機の誕生
2-7 GRAPE-1の構造と思想
2-8 GRAPE-DRとASIC化
2-9 CPUとGPUの違い
2-10 専用計算機の思想とFPGAへの継承
▶ 第3章 FPGAの仕組みへ
第2章 GPUの仕組み
第2-7節 GPUの応用分野
GPUはもともと
画像描画専用のプロセッサ
として設計されましたが、
現在では幅広い分野で利用されています。
3Dグラフィックス・映像処理
GPUの原点とも言える分野です。
- ゲームのリアルタイム描画
- 映画・CG制作
- 映像のエンコード・デコード
大量のピクセルやポリゴンを
並列に処理できる点が強みです。
画像処理・信号処理
GPUは、
- フィルタ処理
- 畳み込み演算
- エッジ検出
といった
同じ計算を繰り返す処理
に非常に適しています。
科学技術計算
GPUは
高い演算性能と電力効率から、
- 物理シミュレーション
- 気象予測
- 流体解析
などの分野で活躍しています。
スーパーコンピュータでも、
CPUとGPUの併用が一般的になっています。
機械学習・AI
近年、
GPUの最も重要な応用分野の一つが
機械学習・AIです。
- ニューラルネットワークの学習
- 推論処理
- 大規模行列演算
これらは
GPUの並列演算能力と
非常に相性が良い処理です。
データ分析・金融分野
GPUは、
- 大量データの統計処理
- リスクシミュレーション
- 高速な数値計算
にも利用されています。
短時間で多数の試行を行える点が
強みです。
組み込み・エッジ分野
近年では、
- 自動運転
- ロボット制御
- 画像認識カメラ
など、
組み込み機器でも
GPUが使われるようになっています。
GPUが向かない処理
一方で、
GPUが不得意な処理もあります。
- 分岐が多い処理
- 処理順序が重要な処理
- 少量データの制御処理
これらはCPUの方が適しています。
設計上のまとめ
GPUは、
- 同じ処理を大量データに適用する
- 高い並列性を活かす
ことで真価を発揮します。
CPUとGPUを
適材適所で使い分ける
ことが、
現代のシステム設計では重要です。
これで第2章「GPUの仕組み」は完了です。