- 第3章 FPGAの仕組み
章トップ(目次)
3-1 FPGAとは何か
3-2 論理回路の基本構成(LUT / FF)
3-3 配線資源とスイッチ構造
3-4 クロックと同期設計
3-5 FPGAの設計方法(HDL)
3-6 CPU・GPU・FPGAの違い
3-7 構成データと再構成
3-8 タイミング設計と制約(STA)
3-9 配置配線(Place & Route)
3-10 I/Oとピン制約
3-11 CPU・GPU・FPGAの本質的違い
▶ 第2章 GPUの仕組み
3-3 配線資源とスイッチ構造
FPGAの大きな特徴のひとつが、
論理回路同士を自由に接続できる配線構造です。
LUTやFFだけでなく、
それらを結ぶ配線資源とスイッチが、
FPGA全体の柔軟性を支えています。
配線資源とは何か
配線資源とは、
ロジックセル同士を接続するための金属配線の集合です。
FPGA内部には、
短距離・中距離・長距離といった
複数種類の配線があらかじめ用意されています。
- 近接セル同士を結ぶ短距離配線
- 列・行方向に伸びる中距離配線
- チップ全体を横断する長距離配線
設計ツールは、
これらの配線を自動的に選択し、
回路全体が正しく接続されるよう配置します。
スイッチ構造の役割
FPGAの配線は、
スイッチ回路によって接続・切断されます。
このスイッチは、
SRAMなどの設定メモリによって制御され、
回路構成に応じて動作が決まります。
ロジックセル ↓ +---------+ | Switch | ← 設定ビットでON / OFF +---------+ ↓ 配線資源
プログラムを書き換えることで、
同じFPGAでも
全く異なる回路構成
を実現できる理由がここにあります。
配線遅延と設計上の注意
FPGAでは、
論理回路そのものよりも
配線遅延が支配的
になることがあります。
- 長い配線は遅延が大きい
- スイッチを多く通るほど遅延が増える
- 配置が悪いと動作周波数が下がる
そのため、
FPGA設計では
論理だけでなく配置・配線を意識した設計
が重要になります。
CPUとの考え方の違い
CPUでは、
配線構造はハードウェアとして固定されています。
一方FPGAでは、
配線そのものが再構成可能
です。
この違いにより、
FPGAは
処理内容に最適化された
専用データパス
を構築できます。